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読書感想文😅

暑中お見舞い申し上げます🌻

あまりの暑さに、オリンピック観戦に疲れたら読書と、涼しい部屋でおとなしく過ごしています。

昨年の本屋大賞第2位、ずっと気になっていた「ラブカは静かに弓を持つ」を読みました。

音楽教室でレッスン曲として講師や生徒がポピュラー曲を弾く場合、これも著作権侵害にあたるのか…大手音楽教室と争う裁判資料とする為、著作権管理団体に勤める主人公が純粋な生徒を装って音楽教室に入会、チェロを習い………というようなストーリーです。

因みに、当教室は、ほぼ100%クラシック曲をレッスンしており、没後70年以上経過している作曲家の作品ばかりなので著作権の問題はクリア😊。ですが、これはフィクションの物語ですしレッスン曲の著作権侵害の是非はこの本のメインテーマではありません。私の興味は音楽教室の講師と生徒の人間関係、音楽を奏でる事がもたらす心の変化、といったことに持って行かれました。

「(右手の運指にとらわれ過ぎて)1回2回のミスに怯えてチェロをきれいに響かせることを諦めるなんてダサい考えはやめてくれ」主人公にチェロを教える浅葉先生……音楽に真摯に向き合いながらも適度に力が抜けていて気さく、何とも魅力的なキャラクターに描かれていて、こんな先生になれたらなと思いました…の言葉です。

この浅葉先生のレッスンや発表会や飲み会(生徒は全員大人ですので)を通して織りなす人間関係の中で、最終的に主人公は、音楽教室は曲や楽器の演奏技術を教わるところというだけではなく、そこには生徒と講師の間に決して代替のきかない信頼と絆がある、と感じ、著作権管理団体を退職し転職した後、一度は退会した浅葉先生のクラスに再入会します。

「音楽教室には生徒と講師の間に信頼と絆がある」物語の中の登場人物の言葉とはいえ、私には刺さりました。そういう関係性がある教室、そういう関係性を築ける先生でありたい!

ラブカとは水深1000メートル近いの深海に息を潜めるように生息する深海魚の名前です。スパイとして音楽教室に潜入した主人公は、彼がスパイだとはまだ気づかない浅葉先生の選曲で、皮肉にも(上手く出来過ぎ?)作中設定のスパイ映画「戦慄きのラブカ」の劇伴を発表会で演奏します。

興味のある方、是非読んでみて下さい。ひんやりとした深海に引き摺り込まれた気分になれるかも⁈