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健次先生ありがとうの会

高校3年生の時から大学卒業するまでの5年間師事した小林健次先生がお亡くなりになって4年。。。小林先生門下会の「健次先生ありがとうの会」に出席して来ました。年の瀬ということもあり、参加者は多くありませんでしたが、大学卒業以来何十年かぶりに桐朋の空気感に身を置き、とても有意義な時間を過ごしました。

最初に挨拶に立った、元東京カルテットの磯村和英さんの「クラシック音楽にも多少の流行り廃りがあるが、健次先生はそういったものに惑わされず、ひたすらに音楽の本質を求め続けた。半世紀以上たった今、当時の楽譜の書き込みを見返しても『全くいかにもその通り』と思うことばかり。健次先生に出会えた事に感謝する」というお話には、胸の奥、鼻の奥、眼の奥がツンとしました。

その後先生の演奏…私も普段レッスンで使っている鈴木のヴァイオリン教本3巻に入っている「メヌエット」をみんなで聴きました。もっと難しい曲、本格的な曲の録音も沢山あるだろうのに「メヌエット⁇」と一瞬思いましたが、これを選んでくれた幹事さん達に感謝♡。それはそれは美しく優美でエレガント。先生の美しいボウイング、その奥に古典舞踏のステップが浮かんでくるかのようでした。ヴァイオリン学習者が初期に練習する“メヌエット“でも人の心はこんなにも動く…音楽の本質。

ヴァイオリニスト竹澤恭子さんは、“オンラインレッスン“という感覚すらも無かった昭和の時代に、レッスンが間に合わないと受話器📞を通して先生に演奏を聴いてもらいそれから1時間近く📞越しにレッスンが続いたこと、もっと良くするにはどうすればいいかを考え続ける先生に本番直前まで新たなフィンガリングを何度も何度も提案されたことなど、レッスンの思い出を声を詰まらせながら話されました。“竹澤恭子“は始めから“竹澤恭子“だったわけではなく、こうやって…妥協のない、最善を尽くす指導から世に生み出されたのだなと、素朴で温厚、音楽に対しては厳しく一生懸命な健次先生の姿が目に浮かびました。

参加者のエピソードトークでは、先生はレッスン中にお手本として弾いた自分の演奏のほんの1フレーズでも気に入らないと、壁の方に向きを変え先生自身が練習に没入(その間生徒は待つ)、数分後納得の出来になるとクルッと向きを変え改めてお手本として聴かせてくれる、という“健次先生レッスンあるある“にみんな覚えがあるのか笑いの渦🤭。本当に真摯に音楽に、私達生徒に向き合われる素晴らしい先生でした。

少しでも少しでも近付きたい。。。。。

最後に参加者全員でバッハのシャコンヌ(四重奏アレンジ)を献奏しました。練習無しの一発でぴったりと合うのは、皆な健次先生の教えを受けた門下生だからでしょうか…天国の先生に感謝の響き伝わっていたと思います。